【PARIS COLUMN】プラ・ド・ジュール

今日の気分を盛りつける。パリのランチは一皿で決まり!

プラ・ド・ジュール
Text by Junko Takasaki

フランス料理の献立の基本は、前菜・メイン・デザートの三皿仕立て。

友人や親戚との会食でも、子どもたちの給食や大人たちの社食でも、食事はこの三皿コースで構成されています。でも忙しい毎日では、前菜とメインを分けて作ることも、それを順番に食べることにも、ちょっと気持ちが向かない時も。時間も手間も省きたい、でも美味しいものは食べたい……食いしん坊のフランス人たちは、そんな時にもぴったりのフードスタイルを持っています。それが「プラ・ド・ジュール Plat de jour」です。

直訳すると「今日の一皿」、大きめのお皿にメインの肉か魚の料理と付け合わせを盛り合わせる、ワンプレートの食事です。町場のビストロやカフェの「日替わりメニュー」の定番でもあります。

一皿で満足感を与えられるよう、メイン料理はしっかり食べ応えがある塊肉やお魚の切り身をチョイス。付け合わせもボリューム重視で、お芋やお米、パスタといった炭水化物の主食を組み合わせます。

ランチタイムに数十皿の注文が入るような人気店では、付け合わせに野菜物を含めた数種類をラインナップしていて、お客さん好みのセットで注文できるところも。選べる付け合わせは1種類とするお店が多いですが、どうしても決められない時は、お願いしたら2種類をハーフ&ハーフにしてもらえます。

ソテーされたお肉の一皿

豚のミジョテにピュレ、タラのムニエルにインゲンのソテー、鶏モモのローストにはフリットとサラダね プロらしい記憶力で復唱する給仕さんの声を聞いて、わぁその組み合わせもいいなぁ〜!と、気持ちが揺れたりも。

お腹いっぱい食べたい時は、ソースのかかったお肉とフライドポテト。消化を気にしている時はお魚のメインにお米かピュレ。秋の盛りには期間限定で、旬の天然キノコのソテーが付け合わせに登場します(待ってました!)。

ダイエット中のパリジェンヌやマダムはグリーンサラダか温野菜を選ぶけれど、同行者のお皿からフライドポテトをさっと1本、失敬するのもお約束です。デザートは気分次第、胃と時間に余裕がない時は、エスプレッソにチョコレートひとかけらでさっと切り上げます。

テーブルを囲む食卓風景

このプラ・ド・ジュールのスタイルは、おうちごはんにもおすすめ。手早くおいしく食べたい平日のお夕飯のほか、親しいお友達を招いた気楽なランチ会では、メイン料理と数種類の付け合わせを大皿に盛って、それぞれ好きに取り分けてもらうと喜ばれます。ピカールの肉やお魚の料理にジャガイモやリゾットを組み合わせたら、ホストの準備もお手軽で嬉しい。

パリのビストロ気分を再現したいときは、クロスは赤を基調にし、ぽってりした白磁のお皿と厚めのガラスのシンプルなグラスを合わせると雰囲気が出ます。デザートには、テーブルで切り分けられるフルーツタルトがお似合いです。ワイワイ喋ってモグモグ食べて、エフォートレス&グルマンな時間を楽しんで。

WRITER PROFILE

髙崎 順子 Junko Takasaki

埼玉県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て2000年に渡仏。書籍や雑誌、ウェブメディアにて、フランス社会と文化を題材に幅広く取材・執筆を行う。得意分野は子育て環境と食。パリ郊外在住。著書に「パリ生まれ プップおばさんの料理帖」(共著・新潮社)、「休暇のマネジメント~28連休を実現するための仕組みと働き方」(KADOKAWA)など。


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