フランス家庭料理の定番「煮込み料理」の魅力

フランス家庭料理の定番「煮込み料理」の魅力

フランス人にとってきのこは宝物と言われています。種類も豊富で有名なトリュフや、アミガサタケ、ジロールなど日本ではあまり見かけないものも。今回は、そんなフランスのきのこについてご紹介します。

日本でも人気!フランス煮込みの代表ブルゴーニュ名物「赤ワイン煮込み」

ブルゴーニュ地方は、ロマネ・コンティを始めとする赤ワインの名産地として知られています。料理も赤ワインの芳醇な香りを活かした「赤ワイン煮込み」が有名。中でも、牛肉の赤ワイン煮込み「ブフ・ブルギニョン」が代表メニューです。牛肉と一緒に、赤ワインとブーケガルニを煮込むと、牛肉に香りが移り奥深い味わいに。コクのある豊かな赤ワインの風味に負けないよう、脂のある牛バラ肉を煮込むとグンと美味しさが増します。付け合わせには、ジャガイモのピューレを添えて提供されます。

ちなみに、日本生まれの「ビーフシチュー」は、フランスの赤ワイン煮込みが元になっているのだとか。鶏肉の赤ワイン煮の方の、「コック・オ・ヴァン」もフランスではポピュラーです。

魚介のうまみが凝縮されたマルセイユ名物「ブイヤベース」

南フランスのプロバンス地方の海近く、マルセイユ地方の名物「ブイヤベース」。新鮮な魚介を玉ねぎ、セロリなどの香味野菜を加え、数種類のハーブで煮込んだスープです。 もともとは、地中海で水揚げされた魚のうち形や大きさが市場に出せない魚を、漁師が自分たちで食べるために作ったのがルーツと言われています。17世紀ごろに、南米からトマトが普及し、トマト風味のブイヤベースが一般的になりました。
マルセイユ地方のレストランでは、煮汁であるスープと、煮た魚は別々の皿で提供されます。まずはスープからいただき、そのあと魚を食べる…というのが現地のスタイルです。大きな魚を豪快に大鍋に入れ煮込むブイヤベースは、食べ応えもあります。

季節の野菜をふんだんに使ったニースの名物「ラタトゥイユ」

プロバンス地方、ニースの名物として知られるのは、「ラタトゥイユ」。トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニなどプロバンス地方の夏野菜をオリーブオイルと塩でじっくり炒めて野菜の旨みをぎゅっと凝縮させ、トマトソースと白ワインで煮込む野菜煮込みです。味付けには、ニンニクやハーブを使い、風味豊かに仕上げます。夏野菜の美しい彩りが目にも鮮やかで、より美味しさを引き立てます。
ちなみに、ラタトゥイユ(Ratatouille)の語源は所説ありますが、「Rata」(軍人が使っていた俗語でごった煮)、「Touiller」(かき混ぜる)から来ているという説や、今もこの地域で話されているオック語で「ラタ=食べ物」、「トゥイユ=混ぜる」を意味することから、ラタトゥイユという言葉が誕生したとも言われています。

こっくりと濃厚な生クリームが奥深い味わいの白い煮込み「フリカッセ」

バターや生クリームを使って仕上げる、濃厚で奥深い味わいが特徴の“白い煮込み”が「フリカッセ」。フランスのロワール地方の冬の家庭料理として有名です。具は鶏肉ときのこが一般的ですが、鮭やホタテなど魚介類をメインとして使うレシピもあります。
仕上がりの“白さ”を保つために、玉ねぎを炒めすぎず、生クリームも焦がさないようにじっくり煮込むのがポイントです。 シチューと見た目が似ていますが、違いは、「煮込む前にお肉を炒めるかどうか」です。シチューは、スープの中にお肉の旨みを移しますが、フリカッセは炒めてから煮込みます。先に炒めることで、お肉の中に旨味を閉じ込められるため、お肉そのものを美味しく味わうことができるのが特徴です。お肉は、表面を香ばしくカリッと焼き上げるのがコツです。

フランスは、地元の旬な食材を使いじっくり時間をかけてつくる「煮込み料理」のレシピが豊富です。少し時間のある日は、日本の家庭でもフランスの煮込み料理を楽しんでみてはいかがでしょうか♪


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